あなたなら、どう思いますか?今、女性が望む性生活のかたちとは?5,000人のWebアンケート結果から

解説 東邦大学医学部泌尿器科学講座
 教授 永尾 光一先生

性生活に関して女性はどんなイメージを持っているのかを知るために、首都圏に住む20歳以上を対象に、よりよい性生活に関する意識調査を実施したところ、68.3%の女性が「性生活をより充実させたい」と考えている半面、38.8%の女性が「自分の性生活に関する希望をパートナーに言葉で伝えたことがない」こともわかりました。この調査により、パートナーと良好な関係を築くには、女性の抱える性生活の問題点や男性への願望を知り、女性の立場からも性生活に関して考えることの重要性が浮き彫りにされました。

性生活に対する希望を、パートナーに伝えたことがありますか?結果を見る

アンケート結果

約40%が「ない」と回答

性生活に関する希望を、
パートナーに言葉で伝えたことがあるか
(n=5,665)

この質問に対して、「ある」と回答したのが半数以上の61.2%にのぼったのに対し、「ない」と回答したのが38.8%もありました。この結果から、現在女性においても、女性が男性と性的な事柄について率直に希望を話せる環境が、いまだ不十分であることがわかりました。

性交時に痛みを感じることはありますか?結果を見る

アンケート結果

約65%が「痛みを感じる」と回答

回答では、性交時に痛みを感じる女性(「ほとんど痛みを感じる」、「半分ぐらい痛みを感じる」、「ときどき痛みを感じる」の合計)は65.9%で、「ほとんど感じない」の34.1%を上回りました。性交痛は、多くの女性が経験しているという結果でした。

性交時に痛みを感じるか
(n=5,665)

今回の調査では、前戯時間(現状平均値17.7分に対し希望平均値22.0分)、挿入時間(現状平均値11.8分に対し希望平均値13.8分)、後戯時間(現状平均値6.3分に対し希望平均値11.2分)、性交時の体位数(現状平均値3.1に対して希望平均値3.4)についても回答を得ました。
結果として、挿入時間と性交時体位数については、現状と希望の差がほとんどなかったのに対し、前戯時間と後戯時間については、現状より長く希望する傾向がみられました。 性交時に痛みを感じる場合、前戯時間、挿入時間、後戯時間が短く、体位数も少ない傾向にあることがわかり、女性の性交痛が前戯時間、挿入時間、後戯時間、体位数と密接な関係にあることが示されています。
女性の性交痛に対する思いはデリケートで多様ですが、女性が肉体的・精神的な満足を得るためには、男性が女性のこのような思いを十分認識する必要がありそうです。

あなたのパートナーのセックスは一方的ですか?結果を見る

アンケート結果

男性が一方的と感じている女性は
約30%

女性にとってパートナーのセックスが一方的か、そうでないかは重要なファクターといえます。
回答結果は、セックスが「非常に一方的」または「やや一方的」だと感じている女性は32.4%、「どちらともいえない」は29.8%、「あまり一方的でない」または「全く一方的でない」は37.9%でした。
前戯時間、挿入時間、後戯時間との関係では、一方的な性交をされている場合、いずれも時間が短く、体位数も少ない傾向にありました。

性交のやり方は一方的であるか
(n=5,665)

さらに、前戯時間と後戯時間の現状と希望とでは、前戯時間が「一方的である」(56.5%):「一方的でない」(32.2%)、後戯時間が「一方的である」(57.2%):「一方的でない」(42.4%))と大きな差が現れました。
つまり、一方的なセックスをされている女性は、とくに前戯時間、後戯時間を長くしてほしいという、「一方的ではないセックス」を希望している場合が多くなっています。セックスで女性が求めているものと、男性が実際に行っていることとは乖離があるということが明らかでした。
しかし、それを女性がパートナーと話す環境がいまだになく、希望が男性にうまく伝わっていないことも、乖離の原因になっているかもしれません。

よりよい性生活」に関する意識調査について

インターネットによって、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に在住する20歳以上の女性で、性的なパートナーを持ちかつ、性交渉の意向がある5,665名を対象に、アンケート形式で行いました。

(永尾光一ほか、日本性機能学会雑誌:
22(3)287,2007)