ED治療医の話
まずは医者から問いかけて
言い出せずにいる患者さんの掘り起こしを。
大倉山内科クリニック院長 北田 守
循環器疾患を抱えていても外来通院できればED治療は可能だと思います。
私は高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病を中心に診療していますが、狭心症などの循環器疾患を抱えていても症状が落ち着いていて、外来通院など通常生活を送っている方にはED治療は可能だと思います。すでに何十人かに処方しましたが、胸がおかしいなどの訴えは一人もありません。当然、併用薬は他の医療機関で処方された薬も含めてすべて確認しています。私は基本的にはニトログリセリン製剤をできるだけ使わない方針なので使用者は少ないのですが、使用されている場合は中止もしくは他の薬剤に切り替えてから、ED治療薬を処方しています※。研究会で専門医の先生から豊富な使用経験を伺ってみても、使い方さえ間違えなければ安全性の高い治療だと理解しています。
※ ED治療薬を処方の際には、各薬剤の添付文書をご確認ください。

リスクの高い患者さんには、看護婦さんが席を外すようにして
こちらから問いかけています。
日本人はEDを抱えていても、医師に言い出す勇気をなかなか持てないですから、糖尿病、β-ブロッカーの服用、うつ病といった高リスクを抱えている患者さんには、私の方から少なくとも半年に1回、「意欲は落ちていませんか」「性欲は落ちていませんか」とお聞きしています。まず、性欲からお聞きすると患者さんの抵抗感は少ないようです。また、看護婦さんがいると患者さんは答えにくいので、看護婦さんが席を外すようにして聞くことが大事だと思います。ED治療に関する資料も不特定多数の人が出入りする待合室に置くと取りづらいので、トイレなどの人目がないところに配置して気軽に手に取ることができるように配慮をしています。ED治療薬というと、意外に巷で売られている性欲を増強するような薬と勘違いしている方も多いので、処方する時には作用機序や使い方についてきちんと説明して誤解を解くようにしています。

医療機関が患者サイドに立って受療への「しきい」を下げることが大事。
ED治療によって循環器疾患などが良くなることは基本的にはありませんが、ただ生きているだけでなく充実した人生を送れるようになりますから精神的には大きく違います。相談したいのだけれども言い出せずに悶々としている患者さんに対して、医療機関側が「しきい」を下げる配慮をして、そうした患者さんも治療を受けられるように掘り出してあげることが、今後の医療者には非常に大事になってきていると考えています。

