医師から患者さんへのメッセージ

医師から患者さんへのメッセージ

■不妊症治療とED


永尾光一

男性不妊症でお悩みの方へ、泌尿器科でのED治療薬による治療についてアドバイスをお届けします。

東邦大学泌尿器科准教授 永尾光一
不妊症で悩んでいますが、夫にプレッシャーがかかっているようです。
どこへ相談したらいいですか?

●「性交がうまくいかない」なら、まず泌尿器科へ

不妊症治療の場合、まず女性が産科婦人科を受診されます。女性に問題がないと診断されると、次に男性不妊症が疑われ、泌尿器科を受診されるという順番が多いようです。
もし性交がうまくいかないという自覚があって、不妊症に悩んでいらっしゃるなら、まず男性が泌尿器科を受診されるのが、不妊症治療の早道だと思います。

 
不妊症治療でタイミング法(※)の指導を受けました。けれども夫の様子がこれまでとはちがって、うまくいきません。どうしたらいいですか。

●ED治療薬で男性のストレスを軽減!

当センターで不妊症治療を受けているEDの男性のうち、体に異常はなくて心理的なところに原因があった方は、全体の6〜7割に及びました。
不妊で悩んでいるカップルの中にはタイミング法で、3日間連続で性交をする日を指定されることがあります。しかし、これが男性側のストレスとなってしまい、性交がうまくいかなくなるケースもあります。不妊症治療によってEDになることもあるのです。
ただし、この方のように原因がはっきりとわかっている場合には、ED治療薬で治療を行うことで、男性の心理的負担が減り、タイミング法もうまくいくようになります。

 

※ タイミング法とは?
タイミング法は、排卵の時期を正確に計測し、それに合わせて夫婦生活を行う方法です。
自然周期でのタイミング法と排卵誘発剤というお薬を使って行う方法の2種類があります。
自然周期でのタイミングを正確に知る方法として、現在では、経膣超音波で排卵日を予測し、さらにホルモン検査によって2〜3時間の誤差で排卵時間を予測することができます。


夫のEDに協力したいと思いますが、カウンセリングではどんなことを聞かれたり、アドバイスされたりするのでしょうか。

永尾光一

●女性の負担も減らしたED治療薬による治療

EDの治療では、体に異常がないことが確かめられたら、カウンセリングを基本とした治療を行います。ED治療薬が発売される前、我々は女性に対して、男性に性的なサービスをするようにすすめていたこともありました。このため、なぜここまでしなければならないのかと、強いストレスを感じていた女性もいたと思います。
しかし、ED治療薬の発売後は、女性にそうしたストレスをかけなくてもすむようになりました。男性にED治療薬を飲んでいただけば、自然にうまくいくのです。ED治療薬によって、男性のみならず、女性への心理的な負担をも減らすことができるようになったと思います。

 
カウンセリングには時間がかかると聞きましたが、早く治す方法はありませんか?

●ED治療薬服薬6か月で、自然に改善!

EDのカウンセリングは時間がかかる場合があるのも事実です。ですからカウンセリングと同時に、ED治療薬を飲むようアドバイスしています。ED治療薬について漠然とした不安をもっている方に対しては、薬の安全性について、薬の価格について、飲む期間や通院の回数などについて話をします。ご理解いただけたら、ED治療薬を飲んでみようということになります。通常は1か月に1回カップルで通院していただくと、6か月くらいでEDが自然に治るケースが多いようです。

 
男性不妊症で治療を受けたいと思いますが、抵抗なく治療を受けるよい方法はありませんか?

●問診票に記入して、上手に受診を

男性不妊症で悩んでいる方がいらしたら、まず泌尿器科に電話で「EDを扱っていますか?」と問い合わせてから、受診してください。受診時に問診票を渡されたら、あなたの症状や気になることを書き込みます。問診票を活用している病医院が多いと思いますので、恥ずかしいことを聞かれずにすむでしょう。EDで離婚寸前だった私の患者さんの中にも、ED治療薬でこの危機的状態から脱して、自然な形でお子さんができた方もいらっしゃいます。最近では、インターネットでもED治療を行っている病医院が紹介されていますので、お近くの泌尿器科医を安心して受診してください。