健康被害事例
・シンガポール/2008年2~5月
偽造ED治療薬やその他の漢方薬(いわゆる精力剤)3種を服用した患者で、低血糖による昏睡などの重篤な有害事象が発生しました。
2008年5月現在、確認患者数40人、疑いのある患者87人。うち4人死亡(そのうち2人が偽造ED治療薬による死亡)。
出典:YAKUGAKU ZASSHI 134(2)203-211;2014
・日本国内
2011年4月に、奈良県薬務課から、ED治療薬の偽造品を服用した男性が意識障害を起こし、病院に搬送されるという事例や、偽造ED治療薬服用との因果 関係は明らかではないものの、呼吸困難等で病院に搬送され死亡に至った男性の衣服から偽造ED治療薬がみつかる事例が報告されました。
出典:模造医薬品による健康被害に対する注意喚起
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001agwf.html (accessed 2020/9/3)
インターネット等による個人輸入の落とし穴
インターネット等を通じて海外から個人輸入する医薬品は、必ずしも品質が保証されているわけではありません。そのなかには偽造品も含まれます。偽造バイアグラは効果がないだけでなく、不純物混入による健康被害を及ぼすことが報告されています。(海外事例参照)1〜4)。
- 1)佐々木 春明ほか : 日本性機能学会雑誌25(1) : 19, 2010[L20100730003]
- 2)Jackson, G. et al. : Int J Clin Pract 64(4) : 497, 2010[L20100518180]
- 3)医薬食品局監視指導・麻薬対策課 : 模造医薬品による健康被害に対する注意喚起 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001agwf.html 2011年4月 2020/9/3参照
- 4)医薬食品局監視指導・麻薬対策課 : 模造医薬品による健康被害に対する注意喚起について(第2報)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001dl4u.html 2011年5月 2020/9/3参照
偽造品は持ち込み禁止
偽造バイアグラは知的財産権を侵害するものとみなされ、日本国内への持ち込みが禁止されています。発見されれば処罰の対象となります。
健康被害にあわないために医療機関の受診を
不正規ルート(医療機関以外)で入手したバイアグラは、偽造品の可能性が高く、思わぬ健康被害も予想されます。日本では、バイアグラは医師の処方が必要な処方箋医薬品です。EDに関する相談、治療は、医療機関を受診していただくようお願いいたします。